アルブミン ALB Albumin 正常値 4~5 g/dL
血清総タンパク(TP)検査で異常が認められた場合には、まず検査対象になるのがこのアルブミンです。血清中には約100種類のタンパクがあるといわれていますが、このアルブミンが血清中の総タンパクの約60~70%を占めています。とくにアルブミンは肝臓機能と深く関わっているため、肝臓の状態を知る指標と位置づけられています。
採血した血清を電気泳動にかけるとタンパクは、アルブミンとグロブリン(α1、α2、β、γ)の5つに大きく分画されていきます。各タンパクにはそれぞれ固有の役割があるので、その量と比率を調べれば、病気の種類と原因をある程度まで判断することができます。とくにこの比率をアルブミン/グロブリン比(A/G比)と呼んでいます。
アルブミンの正常値は4~5 g/dLで、A/G比は1.0~2.0です。TPが正常値でも、A/G比が異常値をしめして肝臓の病気が見つかることもあります。
アルブミンが減少しているときは、つぎの3つの病気が疑われます。
(1)重症肝炎や肝硬変など肝臓の病気
(2)タンパクが漏出する漏出性胃腸病やネフローゼ症候群
(3)栄養失調
アルブミン値は減少することはあっても増加することはありません。
また、お年寄りの方ほどアルブミン値が高くなる傾向があります。
アルブミン, Alb(Albumin)
臨床的意義
血清アルブミンは、血清総蛋白の50~70%を占め膠質浸透圧の維持、生体内部質や薬剤の運搬に重要な役割を果たしている。アルブミンは、肝で合成されることから、肝実質障害や体内蛋白代謝異常の重要な指標とされている。
低値値疾患: 体外または体内への漏出(ネフローゼ症候群・蛋白漏出性胃腸症など)、代謝亢進(甲状腺機能亢進症など)、栄養不良、体内合成低下(重症肝障害など)
測定方法: 改良型BCP法(平成18年7月18日より)
BCG法(平成18年7月14日まで)
測定機器: 日本電子BM2250(平成18年7月18日より)
日立7350自動分析装置(平成18年7月14日まで)
測定試薬: カイノス(平成18年7月18日より)
第一化学(平成18年7月14日まで)
基準値: 3.9~4.9g/dl (相関:Y=1.015X+0.072 従来法:X)
3.1~5.6 g/dl(平成6年8月まで)
相関
平成18年7月18日
X=旧機器、旧試薬
Y=新機器、新試薬
Y=1.10X-0.456 r=0.992 n=200
小児の基準値
生後1ヶ月から6ヶ月の間に0.6g/dl増加する