ろ胞性リンパ腫にリツキシマブの維持療法が有効
ろ胞性リンパ腫に対して抗CD20モノクローナル抗体リツキシマブの維持療法としての投与が、安全で有効であることがわが国の臨床試験でも明らかとなった。10月6日から8日に福岡市で開催された日本血液学会・日本臨床血液学会合同総会で、関西医科大学医学部血液呼吸器膠原病内科の森眞一郎氏が発表した。研究グループは今後、大阪リンパ腫研究会において、前向き多施設臨床試験を今年中に開始したいとしている。
森氏らのグループは、初回治療としてリツキシマブ375mg/m2 を一週ごとに4週間投与、次に維持療法として6カ月ごとに4回投与することを1サイクルとして4サイクル行い、2年間投与した。腫瘍量が多く予後不良が予想される症例には、非ホジキンリンパ腫に対する標準的化学療法であるCHOP療法(シクロホスファミド+ドキソルビ シン+ビンクリスチン+プレドニゾロン)を2コース先行投与した。全10例中5例に対しCHOP療法が先行投与された。
初回治療後のCR(完全寛解)は3例でPR(部分寛解)が5例、SD(安定状態)が2例だったが、維持療法開始後(最高反応時)はCRが7例、PRが0例、SDが1例、悪化(PD)が2例となった。維持療法開始後4例がPRからCRへと移行した。無増悪生存率は平均観察期間が28.5カ月で64.0%、全体の生存率は平均観察期間が28.5カ月で75.0%だった。一方、グレード3以上の有害事象は、血液学的毒性が2例、低血圧症が1例だった。その他、著明な低ガンマグロブリン血症が1例認められた。
(横山 勇生) 2006年10月11日