濾胞性リンパ腫のアメリカでの治療法

『濾胞性リンパ腫 ( Follicular lymphoma )』

原文へのリンク: American Cancer Society のホームページ
http://www.cancer.org/docroot/home/index.asp

記事のおおまかな内容: 上記のホームページの該当ページには、大略以下のような内容が書かれています。

このリンパ腫に対しては、どのような標準的な治療法でも、治癒可能であることが示されたものはない。若干の新しくてより攻撃的な治療法が非常に有効であるようにみえるが、そのような治療法が標準的な治療法より優れているかどうかは未確認である。つまり、標準的な治療法は未だ存在しない。実際のところ、症状があるまで、治療を勧めない医者が多い。

リンパ腫が、腹部の同じ側の 1 つのリンパ節グループに限定されている場合(ステージ I )、当該リンパ節グループへの放射線療法で治療可能である。リンパ腫が局所的に限定されている場合、化学療法は通常勧められない。このようなケースでは、リンパ節が腫大し始めたり、症状が現れたりするまで、経過観察をすることが多い。

リンパ腫が、局所に限定されていない場合(ステージ II、III、IV )、化学療法を実施することがある。また、リンパ腫の大きな領域に対しては、放射線療法を実施することもある(症状軽減のため)。もう1つの選択肢は(リンパ腫が非常に大きかったり、症状があったり、重要臓器を傷害していたり、成長が速かったり、といった場合を除き)、経過観察である。経過観察というアプローチに不満を持つ患者さんもいるが、濾胞性リンパ腫の治癒は困難で、治療の目標は、できるだけ少ない副作用で、出来るだけ長い期間病気をコントロールすることであることを考えると、経過観察は合理的と言えるかも知れない。濾胞性リンパ腫の場合、治療が必要となるまでの平均期間は、3~4 年間である。

通常の化学療法レジメンは、単剤から成るレジメンである(クロラムブシル( Leukeran )や fludarabine (Fludara))。医者の中には、シクロホスファミド(Cytoxan)+ビンクリスチン(オンコビン)+プレドニソンという併用レジメンを優先する者もいる( 又は、CHOP レジメンを優先する者もいる)。

その他の選択肢は、rituximab (単独、又は、CHOP のような化学療法との併用で)やインターフェロン(単独、又は、化学療法との併用で)である。より新しい、放射性物質が結合したモノクロナル抗体( Zevalin や Bexxar )も治療選択肢となることがあり、新たに診断された患者さんに対して実験的に使用されている。

rituximab には副作用が少ないため、濾胞性リンパ腫の治療用に、rituximab だけを使用する医者も多い。

今までのところ、最も長い寛解をもたらしたレジメンは、 Bexxar 単剤、又は、CHOP レジメン、又は、CVP と rituximab との併用、である。しかし、これらのレジメンが日常的に使用されているわけではない。何故なら、これらのレジメンも治癒的ではなく、長期的な副作用の懸念があるからである。

濾胞性リンパ腫が再発する場合、びまん性大細胞型リンパ腫の形で再発することがある。そのような場合の治療は、より攻撃的な病気に対する治療と同じである。濾胞性リンパ腫のままで再発した場合、他の化学療法薬レジメンが勧められる。その新しいレジメンに反応する場合、幹細胞移植が考慮されることがある。しかし、幹細胞移植は、臨床試験の中で受けるのがベストである。もう一つの選択肢は、骨髄非破壊的な幹細胞移植である。

本コーナーの目的は、情報のありかと記事概略をご紹介することです。どうぞ本ページ冒頭のリンク先の原文をお読みください (原文内容は頻繁に改訂されており、ご紹介が間に合いません)

“濾胞性リンパ腫のアメリカでの治療法” への1件の返信

  1. ありがとうございます。
    医療翻訳を勉強してい者です。現在、濾胞性リンパ腫について勉強していますが、こちらのサイトにたどり着きました。とてもわかりやすく書かれていらっしゃるので、大変役立ちました。ありがとございます。

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