骨髄抑制で、白血球や血小板が減るとどうなる?

骨髄抑制で、白血球や血小板が減るとどうなる?
感染や出血を起こしやすくなる。感染や傷の予防を第1に
多くの抗がん剤で程度の差はあれ、骨髄抑制が起こるといわれています。

「骨髄は、白血球、赤血球、血小板などの血液の成分を休むことなくつくっています。細胞分裂が盛んな骨髄細胞は、抗がん剤のダメージを受けやすいため、これらの血液成分が減少し、細菌やウイルス感染、出血、貧血などの症状が起こりやすくなります」

白血球は、抗がん剤投与後7~10日目から減り始め、4~5日間下がった後、自然に増え始めるのが普通です。治療の2、3回目になると、骨髄が早くダメージを受けて4、5日目で減少し始めたり、減少期間が長く続いたりする人もいます。

「白血球は、通常1マイクロリットルあたり4000から9000程度ですが、1000以下になると抵抗力が弱まり、風邪などの感染症にかかりやすくなります。
白血球のなかでも細菌を防御している好中球が500以下になった場合は、とくに注意が必要です。また、血小板が3万以下(通常は15万/マイクロリットル)になると血液凝固作用が弱くなり出血しやすくなります」

対策1 白血球減少時は感染予防
感染対策は予防が第1。食事の前やトイレの後、外から帰ってきたときには、手洗いとうがいを習慣づけて、細菌やウイルスを持ち込まないようにしましょう。毎日入浴をして、陰部も清潔に保ちます。抗がん剤投与日でも、シャワーや一番風呂なら大丈夫。毎食後と寝る前には歯磨きを。軟らかい歯ブラシやスポンジブラシを使うと口の中が傷つきません。虫歯がある方は、抗がん剤投与前に治療しておきましょう。

対策2 ピーク時には外出を控えて
白血球が1000以下、好中球が500以下になった場合は、人ごみを避け、生ものには火を通して食べましょう。発熱が見られたら感染が疑われるので、受診してください。

「抗がん剤治療中でも、骨髄抑制がない時期には、マスクをしたり、生ものを避けたりする必要はありません」

対策3 好中球低下にはG-CSFで対処
血液検査の結果や、発熱、口内炎などの症状によっては、白血球を増やすG-CSF製剤を数日間皮下注射することがあります。好中球数が500以下の場合に保険が適用されます。

対策4 ひげそりは電気かみそりで
「白血球と血小板の減少が重なっているときにケガをすると、傷口から細菌が入りやすく、治りにくいもの。ひげやむだ毛の処理には、電気かみそりを使い、調理中は包丁による傷にも注意しましょう。血小板が3万以下になった場合は、輸血が考慮されます」

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