HLA型 白血球の血液型

2.HLAとは?
HLA型は、白血球の血液型とでもいうべきものです。両親から各座半分ずつを遺伝的に受け継ぐため、兄弟姉妹間では4分の1の確率で一致しますが、非血縁者間(他人)では、数百~数万分の1の確率でしか一致しません。日本をはじめ多くの国で、血縁者間でHLAが一致したドナーが見つからない患者さんのために骨髄バンクが設立されています。現在、日本骨髄移植推進財団(JMDP)のドナー登録者数は、約25万人に上ります。JMDPの報告によれば、HLA-A、HLA-BのDNA適合度がGVHD発症頻度や生存率に直接関連していて、これらの点を考慮したドナー選択を行っています。最近では、HLA-Cの違いも影響することがわかってきています。

これらに対して臍帯血移植では、造血幹細胞移植のときに重要な6抗原中4抗原以上が適合していれば、生着やGVHDにそれほど大きな影響をもたらさないことがわかっています。また、HLAが適合していなくても移植が可能な場合もあり、研究的治療として行われています。

白血球抗原(HLA)
白血球抗原(Human Lymphocyte Antigen:HLA)は、第6染色体の短腕に位置する遺伝子群に支配されているタンパク質で、HLAはA、BやC等のclassIと、DRやDQ等のclassIIの2群に大別されます。造血幹細胞移植のときに重要な抗原は、A、B、DR抗原(3座6抗原)です。患者さんの免疫抑制が不十分の場合には、これら6抗原すべてが一致(適合)しないと生着不全を起こします。また、ドナー細胞が生着してドナー由来の造血能が回復してくると、今度は患者さんの細胞を攻撃するGVHDが高頻度に生じます。HLA血清検査で6抗原とも一致しても遺伝子型で異なる場合があり、移植成績にも影響を及ぼします。非血縁者間移植のHLA適合や一部の血縁者間移植の適合に関しては、遺伝子型も検査する必要があります。

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