生存曲線の見方

生存曲線の見方

がんに罹って真っ先に気になる(当たり前ですが)のが、何時まで生きられるか、余命はどれくらいかです。 ご存知のように以前はなるべく本人に知らせずにそっとしておくと言うのが常識でしたが、最近は積極的に伝えるようです。 濾胞性リンパ腫の場合は進行が遅いせいもあって、また新薬が出てきてもその評価を定めるのに10年はかかりますので、現時点での余命はなかなか分からないと言うのが本当みたいです。 一説には余命10年と言うのが一つの目安になっているようです。 またがんでは5年無症状で生き延びると、完治したと見なすようです。

ものの本には、生存曲線と言う、最初は急に下がって後は一定の生存率になるようなグラフがありますが、これも曲者で、よく見ないと本当の事は分かりません。 まず治療を開始して急に下がるのは、副作用で亡くなる方が多いと言う事を表しています。 一般には、半年から1年でカーブは水平に近くなって、大体生存率で言うと50%とか30%ぐらいで一定になります。 これが一定にならないと言う事は、まだ評価できるほど時間が経過していないか、治療できていない事を示します。

新しい治療法で、例えば3年しか経っていない場合は、それ以上どうなるのか、まだ分からないと言うことです。 10年単位の話をしているので、最低10年くらいは経たないと、結果は出ないと言う事になります。

また、カーブが何時までたってもダラダラと下がるのは、時間が経っても、亡くなる方が居ると言うことで、治療が成功していない事を示します。

また、一般に新しい治療法は、マイナスの結果が出やすいと思います。 新しい治療法はボランティアの’患者を募ってやるので、どうしても通常の治療ではうまく行かない患者の率が高くなります。 例えば今回使ったリツキサンでも、厚労省の認可は2001年ぐらいに出ているのですが、最近やっとその効果が公認される状況です。 2006年の段階では、まだ賛否両論という感じです。

いまちょうど認可された話題のゼヴァリンですが、これもその効果が公認されるには、あと5-7年はかかると思います。 それまで生き延びれば何とかなると言う考え方も出来ます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください