インターロイキン2受容体(IL-2R)
測定方法 : EIA法
臨床的意義
インターロイキン-2レセプター(IL-2R)は、分子量70kdのp70(β鎖)と分子量55kdのTac抗原(α鎖)と呼ばれている2種類のサブユニットからなる蛋白である。前者が休止期のリンパ球にも発現しているのに対して後者はリンパ球活性化の後に初めて見出されるため、生体の免疫機構活性化の指標とすることができる。
近年、リンパ球活性化状態においてTac抗原が末梢血中に可溶性の形でも存在することが明らかになり、可溶性IL-2R(sIL-2R)と名付けられている。sIL-2RはIL-2との結合性を保持することから、生体の免疫調節にも関与していると推定される。
血中sIL-2R値は造血器悪性腫瘍、レトロウイルス感染症、リウマチ・膠原病など、免疫系
のさまざまな病的状態で上昇しており、病勢を反映する指標として有用と思われる。
血中に遊離される可溶性IL-2レセプターの量は、T細胞の活性化の消長を示す指標となることが知られている。成人ヒト白血病や川崎病、リウマチやSLEなどの自己免疫疾患において活動性を示すマーカーとなることが報告されており、幅広い疾患領域での有用性が期待されている。
異常値を示す疾患
高値疾患: 成人T細胞性白血病、急性リンパ球性白血病、悪性リンパ腫、Hodgkin病、AIDS、SLE、慢性関節性リウマチ、ベーチェット病、川崎病、肺結核
基準値: 190~650 U/ml
http://www.okayama-u.ac.jp/user/hos/kensa/hotai/ir-2r.htm