■ 免疫療法の位置付け
堀田 濾胞性リンパ腫は通常の化学療法ではなかなかうまくいかないので,従来は放射線療法を併用する戦略でいくしかなかったのですが,最近は免疫療法もあります。免疫療法に関しては飛内先生が日本でリードして臨床試験をなさっていますが,抗CD20抗体であるIDEC-C2B8のようなものは治癒に結びつく治療としてはどのように位置づけられますか。
飛内 マウス・ヒトキメラ型のモノクローナル抗体(IDEC-C2B8,rituximab)の濾胞性リンパ腫に対する治療効果は,再発-再燃例で6割が奏効しますし,未治療例を対象にCHOP療法と併用すると奏効率が9割を超えます。私たちは進行期濾胞性リンパ腫患者の長期的予後の改善をめざして,現在CHOP療法とrituximabを併用した臨床試験を施行していますが,その答えは7年,10年フォローをしないと出てきません。
堀田 結論を得るにはまだまだ時間が要りますね。