付添人から10年目のご挨拶

付添人から10年目のご挨拶

まあ、こう言うこともあるんですね。 10年前には、最悪3年長くて10年持てば良いと思っていました。

今頃は2-3種の治療を試して、さあ次はどうしようか? と言うことになるのではないかと想定していましたが、結果的には長期の寛解状態で、短期的に治癒したのと同じになりました。

最初の診察で、主治医にこの病気は絶対に治癒しません、必ず再発しますと宣言されて、その覚悟をしましたが、その時はあまりショックはありませんでした。

最初の治療は R-CHOP で、最初の診断の時の治療は、HOP と説明されたので、主治医に、この治療は最近変更になりましたが? と聞いたら、数十年変化なしとのことで、その時点では R-CHOPつまりリツキサンが有効と言うのはあまり浸透していなかったようです。

リツキサンはマウスの細胞を利用して製造されているので、稀に強度のアレルギー症状が出るとのことで、最初は長時間かけて注入するのですが、その間に何かあるかも知れないと、ずっと横で見ておりましたが、何と言うこともなく終わりました。

その後病室で、医科部長から、リツキサンは効きますよ、と言われて、現場ではエビデンスは無くても、効く感覚があるのだと感じた事を覚えています。 今ではリツキサンが非常に有効だというのは当たり前ですが、当時はまだエビデンスが十分でなく、標準治療としては認められていませんでした。

一番ショックだったのは、治療中の最終クールを終えずに、再発が発覚したことで、この時が一番がっくりして、最悪を覚悟して、引退の準備を始めて、セカンドオピニオンにも行きました。

ちょうど京都で血液学会が開催されていたので、それに参加して、突然出てくる3-4英文字用語に惑わされながら、濾胞性リンパ種なら何とかわかるようになっていましたので、特に全般の解説をするチュートリアルが面白かったです。 要点は本欄に掲載しています。 あとでホームドクターに聞いたら、医者でも専門が異なると全く分からなくなると言ってました。

本格的な治療は苦しむだけだと思ったので、主治医の意見を押し切って、リツキサン単剤でやりました。 通院で良いので非常に楽でした。

その後、再発が発覚して、入院を要する多少強い治療でないと、何となく治療した感じがしない?らしく、今度は主治医の意見通り、入院して強い目のベンダムスチン(トレアキシン)+リツキサンで治療しました。

ベンダムスチンは、従来型の治療薬なので、あまり期待していなかったのですが、これが功を奏したのか、これが現在のところ最後の治療になりました。

その後、原因不明の白血球減少症に見舞われて、これが1年ほど続きました。  納得は出来ないのですが、主治医はリツキサンが原因と言うので、もうリツキサンは使えず頼みの綱も切れてしまいました。

その後は、日和見感染であるヘルペスの治療に2回ほど入院を余儀なくされましたが、再発はなく現在に至ります。

この10年間には、いろいろな治療薬が開発され体力が続く限り、使う治療薬が無いと言うこともなくなったと思います。 隔世の感があります。

10年の間には、奮闘むなしく亡くなられた方もおられます。 ご冥福をお祈ります。 他方、このように長期のカ寛解を得ることができる場合もあります。新しい治療薬もどんどん出てきます。 治療に関する情報も玉石混交ですが、ネットでたくさん得られるようになりました。

10年前には、本欄のようなBlogはほとんどなく、妙な民間療法や免疫療法の広告はたくさんありましたが、しかし何か発信してないと気が休まらないこともあり、正しい最新情報の発信を心がけて、続けてきました。 最近では記事もほとんど更新せず、そのままになっていますが、みなさんの閲覧が多く恐縮しております。

これまでの簡単な治療履歴とお礼を兼ねて、10年目の区切りとしたいと思います。

ありがとうございました。 これからもよろしくお願いいたします。

“付添人から10年目のご挨拶” への2件の返信

  1. 気長に
    発覚したときは、何とかすぐに直そうと思うのですが、慢性病だと思って気長に病気と付き合う感じが必要だと思います。 他の慢性病と違って、日々新しい治療法や薬剤が開発されてきますので、寛解の可能性はどんどん上がっていきます。

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