大阪赤十字病院 血液内科

● 血液内科の特色

 血液内科は白血病・悪性リンパ腫を代表とする、血液やリンパ節の病気を対象としています。 いわゆる難病が多いのですが、この分野での治療の進歩はめざましく、これらの病気はある一定の割合で治癒可能となっています。

 当科では治癒をめざして造血幹細胞移植 ( いわゆる骨髄移植 ) を含む積極的な治療を行っています。 平成 15 年には臍帯血バンクの認定施設となり、臍帯血移植にも対応しています。 さらに、高齢者やリスクのある方にも可能なように、抗がん剤による前処置を軽くした「ミニ移植」も行い、移植可能な対象を広げています。

 当科のベッド数は50床で、近畿圏でも最大規模の血液内科のひとつです。 骨髄移植時や強力な抗がん剤治療後には高度の白血球減少により感染症が起こりやすくなりますが、 これに備えて完全無菌室 2 床、準無菌室 14 床を擁しています。一方、患者の QOL ( 生活の質 ) を重視し、 できるだけ入院期間は短縮して外来における抗がん剤治療を取り入れています。 また、末期で病状の悪化した場合には緩和ケアの充実に配慮しています。なお、当院は日本血液学会認定施設です。

● 対象疾患
 ほとんどの血液疾患に対応可能です。 入院患者の頻度では、
1) 悪性リンパ腫
2) 急性白血病
3) 多発性骨髄腫
4) 骨髄異形成症候群
の順です。 その他には慢性白血病、真性多血症、再生不良性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血などがあります。 全体でみると造血器悪性腫瘍 ( 血液がん ) が 90 %以上を占めます。

● 診療実績
 平成18年の新規発症入院患者は悪性リンパ腫67人、急性白血病18人、多発性骨髄腫12人、骨髄異形成症候群10人です。腫瘍性疾患に対する同種造血幹細胞移植は20例(うち臍帯血移植6例)、自己末梢血幹細胞移植は10例に行われています。再生不良性貧血はかつて不治の病といわれましたが、現在では抗ヒトTリンパ球血清とシクロスポリンによる免疫抑制療法により、多くが寛解もしくは治癒しています。

● 特殊医療機器
完全無菌室 2 床、準無菌室 14 床、簡易無菌装置 2 台。
成分採血装置 2 台、幹細胞保存用超低温冷凍庫 2 台、同液体窒素タンク 2 台。

● 医師紹介
名前 通堂 満
役職 血液内科部長
専門分野 血液疾患(特に血液悪性腫瘍の診断と治療)
専門医・認定医 日本内科学会教育施設指導医
日本内科学会認定医
日本血液学会認定血液専門医
日本血液学会指導医

名前 三浦 康生
役職 血液内科部医師
専門分野 血液内科全般
専門医・認定医 日本内科学会認定医
日本血液学会認定血液専門医
日本血液学会指導医

名前 渡邊 光正
役職 血液内科部医師
専門分野 血液内科全般
専門医・認定医 日本内科学会認定医
日本血液学会認定血液専門医

名前 金子 仁臣
役職 血液内科部医師
専門分野 血液内科全般
専門医・認定医 日本内科学会認定医

名前 西澤 正俊
役職 血液内科部医師
専門分野 血液内科全般
専門医・認定医 日本内科学会認定医

名前 松井 佑亮
役職 血液内科部医師
専門分野 血液内科、感染症内科
専門医・認定医 日本内科学会認定医

名前 岡田 典子
役職 血液内科部医師
専門分野 血液内科全般
専門医・認定医

● 血液内科が骨髄バンクの移植施設に認定されました
 血液内科は白血病や悪性リンパ腫などのいわゆる血液のガンを治療しています。この分野の治療の進歩は著しく、従来は不治の病であったものが造血幹細胞移植(いわゆる骨髄移植)によって一定の割合で治癒可能となっています。当科でも以前より血縁者間の移植に携わってきました。

 しかしながら、骨髄移植を受けるためには、骨髄を提供してくださるドナーとHLA(ヒト白血球抗原)が一致しなくてはなりません。もし、血縁者にドナー適合者がいない場合は骨髄バンクで見つけていただくことになります。

 幸い骨髄バンクでドナーが見つかった場合でも、バンクの認定施設でしか移植を受けることができないため、これまでは、転院していただかなくてはなりませんでしたが、平成16年5月、当科が移植施設に認定され、今後は本院において骨髄バンクを介した非血縁者間骨髄移植が可能となりました。

 また、平成15年10月に、当科は臍帯血バンクの移植施設にも認定されておりますので、今回の認定により血縁・非血縁の骨髄移植、臍帯血移植とも本院で可能となりました。一人でも多くの方に治っていただけるよう今後とも全力を尽くしたいと思っております。

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