金沢大学附属病院でゼヴァリン治療が開始されたとのホームページを見つけました。 日付からすると昨年末だろうと思われます。 噂によると近畿では奈良県立医大でもゼヴァリン治療が出来るとの事。 なかなか治療する施設が増えないのは、やはり血液内科と放射線科の共同作業がうまくいくかどうかにかかっているようです。
また、内科と放射線科の連携もイマイチで、内科の医師は放射線科より上だと思っている節が多々あります。 放射線はどちらかと言うと検査が主で、治療と言うのはどう見てもサブ的な感じがします。
放射線治療もそれなりに、抗がん剤と似たような副作用もありますし、医者は消極的だし、どちらを選ぶかはなかなか難しいものがあります。
ゼヴァリンは抗がん剤の一種ですが、その調剤は放射線科の医師が行わないといけないことで、なかなか進展しないようです。 いずれにしても、昨年からやっと保険治療が出来るようになったので、その副作用に対する対応とかが、まだ手探り状態でしょうから、しばらく待つのが良いでしょう。 使える抗がん剤が無くなった後に最後の手段に取って置くという感じでしょうか。
その前に、白血病の可能性が高くなる自家移植、治療関連死が20-30%もあり、いちがばちかの同種移植、それらとの選択になると思われます。 特にゼヴァリンと自家移植の選択はそれぞれの状況で決まると思います。
金沢大学附属病院核医学診療科
Update: Dec.10, 2008
本院アイソトープ部(核医学診療科)では、
悪性リンパ腫に対する「ゼヴァリン」治療 の保険診療を開始しました。
どちらも、ベータ線という放射線を出す放射性医薬品(アイソトープ治療薬)を静脈注射して行います。
適切な配慮の元に行えば、副作用も少なく楽に行うことができます。また、放射線に関連する悪い影響(例えば脱毛など)は生じない安全な治療です。
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ゼヴァリン
CD20陽性の再発または難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫およびマントル細胞リンパ腫に対して行う国内初の放射性アイソトープ標識抗体治療薬です。化学療法やリツキサンが有効でなかった患者さんの約80%の方に効果が発現し、約60%の患者さんで治癒が期待できます。
ゼヴァリンは2008年8月に保険診療として供用開始されました。本院でも直ちに使用可能な体制を整え、9月に治療を開始しています。
お問い合わせ
ゼヴァリン治療適応などに関しては、大学病院で診ていただいている患者さんは主治医の先生にお尋ね下さい。
他院で診ていただいている患者さんで十分な情報が得られない場合は、本院血液内科にご相談下さい。
ゼヴァリン治療の患者さんの例
左の画像は化学療法後に再発した患者さんの全身像(左が前面像、右が後面像)です。赤矢印のついた黒い集積部位をみると、リンパ節に対して、In-111標識ゼヴァリンの薬が良く集まっています。
この画像から薬が良く集まることや、骨髄などへの副作用も少ないことが確認されました。
そこで、次に、Y-90標識のゼヴァリンを治療のために投与しました。
右のCTは頚部から胸部付近の断層画像です(向かって左側が、身体の右側です)。黄色で囲った部位がリンパ節が腫れているところですが、治療1ヶ月後のCTでは、このリンパ節が小さくなっていることが分かり治療効果が明らかです。
http://web.kanazawa-u.ac.jp/~med23/InternalRadTx/SrZevalin1.html