バイエル ゼヴァリン:国内初の放射免疫療法剤。CD20陽性の再発又は難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫およびマントル細胞リンパ腫への適用。
2008年1月28日 ゼヴァリン関連のみ
放射性同位体イットリウム90による放射免疫療法剤「ゼヴァリン」について
ゼヴァリンは、リツキシマブ使用後の再発、もしくは難治性のCD20陽性濾胞性B細胞非ホジキン悪性リンパ腫の成人を適応として2004年から欧州で使用が認められています。
ゼヴァリン([90Y]イブリツモマブチウキセタン)は、抗CD20モノクローナル抗体の腫瘍認識能と、イットリウム90が発する放射能による腫瘍破壊能を併せ持つ薬剤で、非放射免疫療法に比べて高い有効性を示します。この放射性抗体は、腫瘍細胞に選択的に結合し、近傍の標的となる悪性リンパ腫細胞に致命的な障害を与えます。この作用はがん細胞が作る幾重もの層に達し腫瘍組織全体を破壊します。この治療法は、腫瘍組織への高い生物学的利用率(バイオアベイラビリティ)が確実で、体内を循環する正常なリンパ細胞が放射能により破壊されることを防ぎます。
非ホジキン悪性リンパ腫 (NHL)について
非ホジキン悪性リンパ腫(NHL)は、リンパ組織に生じる悪性腫瘍の一種で、乳癌、前立腺癌、肺癌、大腸癌に次いで5番目に多い悪性腫瘍です。白血球の一種であるリンパ細胞(大きく、T細胞とB細胞に分類される)に起因します。成人ではNHLの85%がB細胞性です。
EU諸国におけるNHLの罹患者数は約23万人で、年間約7万人が亡くなっています。このがん死の数は欧州で年々増加しています。濾胞性リンパ腫はNHLの中でも最も一般的なもので、NHLの30-40%を占めます。この疾病は長期療養が必要で治療も困難です。
NHLは、濾胞性リンパ腫に代表され成長の遅い「緩慢性リンパ腫」と、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (DLBLC) に代表され成長の速い「侵攻性リンパ腫」の二つに大別されます。
バイエル薬品株式会社について
バイエル薬品株式会社は本社を大阪に置き、バイエル・シエーリング・ファーマ(医療用医薬品)、コンシューマーケア(一般用医薬品)、ダイアベティスケア(糖尿病ケア製品)の3事業からなるヘルスケア企業です。2007年7月1日にバイエル薬品内に設立されたバイエル・シエーリング・ファーマ事業本部は、診断薬、血栓止血領域、オンコロジー、プライマリーケア、専門治療薬、ウイメンズ ヘルスケアの6領域に注力しています。バイエル薬品株式会社は、その革新的な製品で、日本のスペシャリティ医薬品市場におけるリーディングポジションを目指しています。そして、新しい発想と高い専門性を持つ人材を活かして医療の進歩に貢献し、人々のクオリティ・オブ・ライフの向上に努めます。
バイエル薬品ホームページ:http://www.bayer.co.jp/byl