血液・腫瘍科 第60巻第6号 造血器腫瘍の治療における支持療法の進歩

血液・腫瘍科 第60巻第6号(2010年6月発行)

今回は、造血器腫瘍の治療における支持療療法に関するものです。

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● 特集 造血器腫瘍の治療における支持療法の進歩

白血病・リンパ腫に対する治療の流れと支持療法
東京都立大塚病院・輸血科 神谷 泉

化学療法時の感染症の予防対策
長崎大学・血液内科 福島卓也

発熱性好中球減少症の抗菌薬療法の実際
帝京大学・血液内科 秋山 暢

好中球減少時の抗真菌剤の使用の実際
帝京大学医学部附属溝口病院・第四内科 吉田 稔

好中球減少時のG-CSFの使用の実際
NTT東日本関東病院・血液内科 臼杵憲祐

化学療法後の骨髄抑制期における輸血療法
東京女子医科大学・血液内科 岡村隆光,ほか

化学療法時の栄養管理
順天堂大学・血液内科 市川訓基,ほか

抗がん剤の毒性とその予防法
藤田保健衛生大学・血液・化学療法科 恵美宣彦

抗がん剤漏出時の対応法
順天堂大学・血液学 佐々木 純

高齢者に対する化学療法時の支持療法の留意点
東京都健康長寿医療センター・血液内科 宮腰重三郎

化学療法と妊孕性
自治医科大学附属さいたま医療センター・血液科 神田善伸

小児の造血器腫瘍に対する化学療法,放射線療法と晩期障害-急性リンパ性白血病長期無再発生存例を中心に-
茨城県立こども病院・小児血液腫瘍科 土田昌宏

● 話題
T 細胞性白血病の中枢神経浸潤とCCR7
聖マリアンナ医科大学・小児科 木下明俊

遺伝子発現解析からみたt(14;18)陰性の濾胞性リンパ腫の特徴
愛知県がんセンター研究所・遺伝子医療研究部 加留部謙之輔,ほか

eIF4Eの抑制を介したribavirinによる急性骨髄性白血病の治療
順天堂大学・血液学 杉本耕一

● 解説
骨髄系腫瘍におけるTET2遺伝子変異
近畿大学・血液内科 嶋田高広,ほか

発作性夜間ヘモグロビン尿症の診断・治療の実際
福島県立医科大学・循環器・血液内科 七島 勉

p53によるmicroRNAプロセシングの制御-p53の新たなる機能-
東京大学・分子病理学 鈴木 洋,ほか

血液・腫瘍科 第60巻第1号 リツキシマブ導入後の B 細胞腫瘍治療

血液・腫瘍科 第60巻第1号(2010年1月発行)

今回は、リツキシマブ導入後の B 細胞腫瘍治療特集です。 新薬の記事もあります。

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特集 リツキシマブ導入後の B 細胞腫瘍治療

リツキシマブ導入後のB細胞腫瘍治療:overview
国立がんセンター中央病院・第一領域外来部 飛内賢正

未治療 B 細胞性リンパ腫治療におけるリツキシマブの有用性:国内一般診療データに基づく検討
国立病院機構名古屋医療センター・血液内科 永井宏和

低悪性度 B 細胞リンパ腫に対するリツキシマブ維持療法の役割
国立がんセンター東病院・血液化学療法科 久保田靖子

リツキシマブを用いた慢性リンパ性白血病の治療
福岡大学・腫瘍・血液・感染症内科 高松 泰,ほか

リツキシマブの耐性化機序: epigenetic mechanismによるCD20陰性化
名古屋大学・血液・腫瘍内科学 富田章裕,ほか

リツキシマブの耐性化機序:CD20遺伝子変異によるCD20陰性化
癌研有明病院・化学療法科 照井康仁

リツキシマブ治療におけるB型肝炎ウイルスの再活性化
名古屋市立大学・腫瘍・免疫内科学 楠本 茂,ほか

リツキシマブ治療の晩期合併症
NTT東日本関東病院・血液内科 伊豆津宏二

完全ヒト抗CD20抗体ofatumumabの慢性リンパ性白血病と B 細胞リンパ腫に対する臨床試験
国立がんセンター中央病院・血液内科 丸山 大

B 細胞性リンパ腫と B 細胞性慢性リンパ性白血病に対するベンダムスチンの有用性
東北大学・血液・免疫科 石澤賢一

ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤によるB細胞リンパ腫治療の可能性
国立がんセンター中央病院・特殊病棟部 渡辺 隆

● 話題
ゲムシタビン療法の血液毒性発現予測モデル
国立がんセンター研究所・化学療法部 松原淳一,ほか

がん検診におけるFDG-PETの役割
(財)浜松光医学財団浜松PET検診センター 西澤貞彦

宮城県における悪性リンパ腫の調査研究:MIYAGI Study
東北大学・血液・免疫病学 張替秀郎,ほか

ATLに対するinterferon/zidovudine併用療法:現状と課題
福岡大学・腫瘍・血液・感染症内科 石塚賢治

● 解説
大腸がん薬物療法における血管新生阻害剤の役割
国立がんセンター東病院・消化管内科 依田雄介,ほか

日本臨床腫瘍学会の活動とがん薬物療法専門医制度
福岡大学・腫瘍・血液・感染症内科 田村和夫

がんワクチン療法の現状と課題
愛媛大学・生体統御内科学 永井功造,ほか

全身腫瘍組織量が少ない濾胞性リンパ腫でリツキシマブのメンテナンス療法

全身腫瘍組織量が少ない濾胞性リンパ腫でリツキシマブのメンテナンス療法と再発・進行時の再治療は治療成功期間が同等に良好

森下紀代美=医学ライター【ASH2011】

 治療歴がない全身腫瘍組織量が少ない濾胞性リンパ腫(FL)に対し、リツキシマブによるメンテナンス療法(maintenance rituximab:MR)と再発・進行時の再治療(rituximab retreatment:RR)の治療成功期間(TTTF)は同等に良好となることが、ECOGのE4402(RESORT)試験から示された。12月8日から13日まで米国サンディエゴで開催された第53回米国血液学会(ASH2011)で、米University of WisconsinのBrad S. Kahl氏が発表した。

 全身腫瘍組織量が少ないFLでは、腫瘍組織量が増加してから治療を開始するWatch and waitが標準と考えられてきた。近年ではリツキシマブの有効性が報告されているが、最適な治療法は不明である。

 Kahl氏らは、このようなFL患者では「リツキシマブによる導入療法施行後のMRは、RRと比較して病勢コントロールの期間を延長する」との仮説をたて、E4402(RESORT)試験で検証した。
 
 この試験では、導入療法としてリツキシマブ375mg/m2を毎週、4サイクル投与し、完全寛解(CR)または部分寛解(PR)が得られた患者を、メンテナンス療法としてリツキシマブ375mg/m2を3カ月毎に投与する群(MR群)と、進行時の再治療としてリツキシマブ375mg/m2を毎週、4サイクル投与する群(RR群)に無作為に割り付けた。治療不成功と判断されるまで投与を継続した。
 
 試験の主要評価項目は治療成功期間(TTTF)だった。
 
 2003年11月から2008年9月までに545人が登録され、FL患者は384人だった。274人が導入療法で寛解し、MR群に140人(年齢中央値58.9歳、男性54%)RR群に134人(同59.5歳、男性54%)が割り付けられた。患者背景は両群でほぼ同様で、濾胞性リンパ腫の国際予後指標(FLIPI)で高リスクの患者の割合はそれぞれ41%と39%だった。

 無作為化時のCRは、MR群18%、RR群14%、PRはそれぞれ78%と81%だった。
 
 主要評価項目のTTTFは、MR群3.9年、RR群3.6年となり、有意差はみられなかった(p=0.80)。従来の方法と比較して良好な結果となった。治療不成功の内訳は、MR群では同意の撤回が最も多く(26人)、無増悪生存期間(TTP)6カ月未満(25人)がこれに次いだ。RR群では、リツキシマブ抵抗性(18人)が最も多く、同意の撤回(16人)がこれに次いだ。
 
 3年の時点で化学療法による治療を開始していなかったのは、MR群95%、RR群86%に上った(p=0.03)。
 
 導入療法の4回を加えたリツキシマブの投与回数(中央値)は、MR群15.8、RR群4.5だった。MR群でかかる費用はRR群の3.5倍以上となった。また、無作為化から1年後の患者のQOLに変化は観察されなかった。
 
 グレード3以上の毒性の発現は両群ともに低く、5%未満だった。二次性の腫瘍は、MR群7人、RR群9人に発現した。
 
 Kahl氏は、転帰が良好で、有害事象の発現率が低く、投与回数が少ないことなどを根拠として、「全身腫瘍組織量が少ないFL患者にリツキシマブ単剤の治療を選択する場合、RRを推奨する」と話した。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/sp/ash2011/201112/522906.html&cnavi=1

 

B細胞性のリンパ腫に対するDA-EPOCH-R療法のPFSは他の高用量化学療法と同等

B細胞性のリンパ腫に対するDA-EPOCH-R療法のPFSは他の高用量化学療法と同等

森下紀代美=医学ライター【ASH2011】

 スペインの研究グループPETHEMAによるフェーズ4のdose-adjusted(DA)-EPOCH-R試験から、DA-EPOCH-R療法(エトポシド、ビンクリスチン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、プレドニゾン、リツキシマブ)は、高リスクのびまん性大細胞性B細胞性リンパ腫(DLBCL)で治療歴がない患者において有望な転帰を示し、毒性も受容可能な範囲であることが示された。成果は、12月10日から13日まで米国サンディエゴで開催された第53回米国血液学会(ASH2011)で、スペインHospital Universitari Vall d’HebronのNoelia Purroy氏が発表した。

 B細胞性のリンパ腫に対するDA-EPOCH療法は、初期治療で良好な完全寛解率(CR)と5年の無増悪生存率(PFS)が示されている。またリツキシマブとDA-EPOCH療法の併用も有望との報告がある。
 
 前向き、多施設共同、フェーズ4のDA-EPOCH-R試験の主要評価項目は、高リスクのB細胞性のリンパ腫で治療歴がない患者におけるPFS、副次的な評価項目は、全生存率(OS)、完全寛解(CR)、毒性の評価である。

 年齢調整国際予後指標(aaIPI)が1以上またはIPIが2以上、II~IV期で、治療歴がない患者を対象に、DA-EPOCH-R療法を3サイクル行った。不変、進行した患者を対象から除外し、完全寛解(CR)または部分寛解(PR)となった患者にさらに3サイクル行った。開始時の用量として、エトポシド50mg/m2/日、ドキソルビシン10mg/m2/日、ビンクリスチン0.4mg/m2を1から4日目に、リツキシマブ375mg/m2を1日目に、シクロホスファミド750mg/m2を5日目に、プレドニゾン60mg/m2/日を1から5日目に投与した。

 DA-EPOCH-R療法の用量の調整は、サイクル終了から10から15日後に好中球絶対数(ANC)と血小板数を測定し、ANC≧0.5×109/Lの場合、エトポシド、ドキソルビシン、シクロホスファミドを後半のサイクルの前に20%増量した。ANC<0.5×109/Lが4日間以上持続、血小板数<25×109、発熱性の好中球減少の場合は、これらの3剤を20%減量した。

 全例に顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を投与した。残存病変を認める場合は放射線療法を追加した。追跡は3カ月ごとに2年間、その後6カ月ごとに3年間行った。

 81人(年齢中央値60歳、男性48.1%)が登録された。Ann Arbor分類のIII~IV期の患者が91.1%だった。中高リスク、高リスクの患者は、IPIで84%、aaIPIで92.5%となった。疾患の内訳は、DLBCLが68人(84%)、原発性縦隔大細胞型B細胞性リンパ腫 (PMLBL:Primary mediastinal large B cell lymphoma)が6人(7.2%)、グレード3の濾胞性リンパ腫が7人(8.4%)だった。

 相対的用量(relative dose)の中央値はレベル1(100%)~レベル6(240%)の中のレベル3(144%)、投与サイクルの中央値は6だった。

 完全寛解または不確定完全寛解は65人で得られ、CRは80.2%となった。IPIが3~5の患者では75%だった。
 
 5年のPFSは62%となり、他の高用量のレジメンと同等の有効性が認められた。OSは67%、無再発生存率(DFS)は72.2%となった。

 毒性について、グレード3以上の貧血は患者の84%、血小板減少は71.6%に発現した。発熱性の好中球減少は45.7%に発現した。グレード3以上の粘膜炎は11.1%、神経毒性は2.5%に発現した。

 Purroy氏は、「高リスクのDLBCL患者を対象とする無作為化試験において、R-CHOP療法とDA-EPOCH療法を比較し検証する必要がある」と話した。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/sp/ash2011/201112/522905.html&cnavi=1

高リスクの濾胞性リンパ腫にR-FND療法、放射免疫療法とリツキシマブ

高リスクの濾胞性リンパ腫にR-FND療法、放射免疫療法とリツキシマブ

第53回米国血液学会「ASH2011」の速報です。 リツキサン、フルダラビン、放射免疫療法、メンテンナンス療法と、現時点で比較的ポピュラーな療法を全部やったみた、と言う感じです。
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/gakkai/sp/ash2011/

◆高リスクの濾胞性リンパ腫にR-FND療法、放射免疫療法とリツキシマブによるメンテナンス療法併用で生存に効果

 高リスクの濾胞性リンパ腫(FL)患者に対し、R-FND療法(リツキシマブ、フルダラビン、ミトキサントロン、デキサメタゾン)を施行後、イットリウム90標識イブリツモマブチウキセタンによる放射免疫療法(RIT)で強化し、さらにリツキシマブによるメンテナンス療法を組み合わせると、無増悪生存率(PFS)と全生存率(OS)が良好となることがフェーズ2試験から示された。

http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_136482_32272_14

以下引用

 高リスクの濾胞性リンパ腫(FL)患者に対し、R-FND療法(リツキシマブ、フルダラビン、ミトキサントロン、デキサメタゾン)を施行後、イットリウム90標識イブリツモマブチウキセタンによる放射免疫療法(RIT)で強化し、さらにリツキシマブによるメンテナンス療法を組み合わせると、無増悪生存率(PFS)と全生存率(OS)が良好となることがフェーズ2試験から示された。成果は、12月8日から13日まで米国サンディエゴで開催された第53回米国血液学会(ASH2011)で、米University of Texas MD Anderson Cancer CenterのNathan H. Fowler氏が発表した。

 Fowler氏らは、R-FND療法の低悪性度リンパ腫に対する有効性を過去に報告している。また、R-FND療法施行後にイットリウム90標識イブリツモマブチウキセタンを用いたRITで地固め療法を行うと、寛解率とPFSが改善したことが報告されている。

 今回Fowler氏らは、高リスクのFL患者を対象に、R-FND療法施行後にイットリウム90標識イブリツモマブチウキセタンを用いたRITで地固め療法を行い、さらにリツキシマブによるメンテナンス療法を行う単群のフェーズ2試験を実施し、初回報告を行った。

 対象は、治療歴がないIII期またはIV期、グレード1~3のFLで、濾胞性リンパ腫国際予後指標(FLIPI)のスコアが3以上の高リスク群の患者とした。

 まず導入療法としてR-FND療法を行い、28日を1サイクルとして、リツキシマブは375mg/m2を1サイクル目は1、8日目、2サイクル目以降は1日目に投与した。フルダラビンは25mg/m2を1~3日目、ミトキサントロンは10mg/m2を1日目、デキサメタゾン20mg/日を1~5日目に投与し、4サイクル繰り返した。導入療法終了から12~16週後に地固め療法のRITを行い、リツキシマブは250mg/m2を1日目と7日目、イットリウム90標識イブリツモマブチウキセタンは0.3mCi/kgを7日目に投与した。RIT終了から6~8週後にメンテナンス療法を行い、リツキシマブ375mg/m2を2カ月毎に1年間投与した。

 主要評価項目はPFS、副次的評価項目は安全性、寛解率、OSなどだった。

 2004年10月から2009年4月までに47人(年齢中央値61歳、男性47%)が登録された。FLのグレードは1と2が87%を占めた。骨髄浸潤は79%に、5cmを超えるリンパ節の腫大は51%に、β2Mの上昇は91%に認めた。

 47人中、死亡の1人を除く46人がR-FND療法を4サイクル受け、血球減少を認めた3人とRITを拒否した5人を除く38人がRITに移行した。メンテナンス療法は進行の1人を除き、RITを拒否した5人から2人を加えた39人が受けた。

 R-FND療法による寛解率は98%、完全寛解(CR/未確定完全寛解[CRu])は85%、部分寛解(PR)は13%だった。RITによる地固め療法の寛解率は95%、CR/CRuは91%に上昇し、PRは4%だった。RITにより、PRだった6人中3人がCRに改善した。メンテナンス療法の寛解率とCR/CRuは87%だった。

 5年全生存率は91%、治療奏効維持生存(failure free survival:FFS)は61%だった。BCL2の状態でみた分子学的寛解も高いレベルで観察された。

 主な毒性は血液毒性で、グレード3以上の好中球減少は53%、血小板減少は34%、白血球減少は6%に発現した。3人に発熱性の好中球減少が発現した。37人で顆粒球コロニー刺激因子の投与、17人で輸血が必要だった。RIT施行後の血小板と好中球減少の回復には10週(中央値)を要した。非血液毒性では疲労感、発熱、便秘などが多く発現した。二次性に骨髄異形成症候群(MDS)が3人に発症したが、このうち1人はRITを受けていなかった。

 Fowler氏は、「MDSのような重篤な毒性が発現する可能性はあるが、この治療法はFLIPIで高リスクの患者に価値があると考えられる」と話した。

放射免疫療法に関する記事

放射免疫療法に関する記事

第53回米国血液学会「ASH2011」の速報で、放射免疫療法に関する記事が2件ありました。
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/gakkai/sp/ash2011/

◆進行期の濾胞性リンパ腫に対するR-CHOP療法とCHOP-RIT療法は寛解率と生存の効果が同等

 治療歴がない進行期の濾胞性リンパ腫患者に対し、CHOP療法(シクロホスファ
ミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン)とリツキシマブを併用
するR-CHOP療法と、CHOP療法に抗CD20抗体tositumomabとヨウ素131標識tositumomab
の免疫放射線療法を併用するCHOP-RIT療法の比較が、フェーズ3の無作為化インター
グループ試験(SWOG S0016)で行われた。
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_136482_32272_13

◆濾胞性リンパ腫に放射免疫療法の地固め療法は有用、
  メタアナリシスで良好な完全寛解率と無増悪生存率
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_136482_32272_19

低悪性度B細胞性NHLに対するオファツムマブとベンダムスチン併用は高い奏効率を示す

◆低悪性度B細胞性NHLに対するオファツムマブとベンダムスチン併用は高い奏効率を示す
  
  
第53回米国血液学会「ASH2011」の速報です。
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/gakkai/sp/ash2011/

 治療歴の無い低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)患者に抗CD20完全ヒト抗体製剤オファツムマブをベンダムスチンと併用したフェーズ2試験で、治療を受けた患者の全奏効率は98%になった。
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_136482_32272_8

Obinutuzumab(GA101)は高い奏効率

Obinutuzumab(GA101)は高い奏効率を示す

第53回米国血液学会「ASH2011」の速報です。 沢山の濾胞性リンパ腫(FL)関連の発表がなされたようです。 リツキサンが効か無いもしくは効かなくなった方への朗報です。
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/gakkai/sp/ash2011/

◆低悪性度再発非ホジキンリンパ腫にObinutuzumab(GA101)は
  リツキシマブより高い奏効率を示す

http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_136482_32272_4

◆低悪性度再発非ホジキンリンパ腫にObinutuzumab(GA101)は
  リツキシマブより高い奏効率を示す

 低悪性度再発非ホジキンリンパ腫(NHL)に対し、完全ヒト化抗CD20モノクローナル
抗体製剤Obinutuzumab(GA101)はリツキシマブよりも奏効率が高く、注射関連反応
と咳を除けばリツキシマブとGA101で忍容性に違いはないことが、無作為化フェーズ2
試験(GAUSS)の予備解析で明らかになった。
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_136482_32272_7

◆再発・難治性低悪性度非ホジキンリンパ腫にObinutuzumab(GA101)単剤は高い効果

 再発・難治性低悪性度(indolent)非ホジキンリンパ腫(NHL)に、完全ヒト化
抗CD20モノクローナル抗体製剤Obinutuzumab(GA101)単剤は高い効果があることが
フェーズ1/2試験(GAUGUIN、BO20999)で明らかになった。
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_136482_32272_10

◆濾胞性リンパ腫にGA101と化学療法の併用は安全に投与でき抗腫瘍効果が高い

 再発・難治性濾胞性リンパ腫に対し、完全ヒト化抗CD20モノクローナル抗体製剤
Obinutuzumab(GA101)はFC療法(フルダラビン、シクロホスファミド)やCHOP療法
(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン)との
併用で安全に投与でき、奏効率も高いことが、フェーズ1b試験(GAUDI、BO21000)
の最終結果で明らかになった。
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_136482_32272_11

百日咳のマーカーが擬陽性

今日が診察の本来の予約日だったが、11月上旬から風邪で体調が悪く
1週間早めて21日に病院へ行った。

近所でかかった医院での血液検査や痰の検査で、百日咳のマーカーが擬陽性。
陽性の3分の1もない数値なのだが、微熱(37℃あるかなしか)がとれないし、
全然すっきりしない。 心配になって、早めに受診した。

血液検査、検尿、胸のレントゲン検査をしたが、幸い異常はなく、
やっぱり百日咳が微妙なせいらしい。

日にち薬ですといわれ、いつまでに治るとは明言されなかった。
服用していたのとは別の抗生剤をその後飲むように言われて帰る。

その後1週間経って、ぼつぼつ治りつつあるが、全く時間がかかる。
やっぱり抵抗力がないのかなぁ。油断大敵だ。

B細胞非ホジキンリンパ腫に対するInotuzumab Ozogamicinの有効性をフェーズ2で確認

難治性の再発性低悪性度B細胞非ホジキンリンパ腫に対するInotuzumab Ozogamicinの有効性をフェーズ2で確認【血液学会2011】 森下紀代美=医学ライター 2011. 10. 20

学会スペシャル:第73回日本血液学会学術集会 2011年10月14日~16日 名古屋

詳しくは、日経メディカル
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/sp/jshjsch2011/201110/522056.html

 抗CD22抗体をカリケアミシンに結合させた製剤、Inotuzumab Ozogamicinは、難治性の再発性低悪性度B細胞非ホジキンリンパ腫(B-NHL)患者において、臨床的な有効性が明らかで毒性も管理可能であることが、国際的な多施設共同のフェーズ2試験から示された。10月14日から16日まで名古屋市で開催された第73回日本血液学会学術集会で、名古屋第二赤十字病院血液・腫瘍内科の小椋美知則氏が発表した。

 Inotuzumab Ozogamicinは、米国と日本で行われたフェーズ1試験において、再発/難治性のB-NHL患者に対する有効性と安全性が確認されている。
 
 今回、小椋氏らは、単群、非盲検、フェーズ2の国際共同試験を行い、リツキシマブ、リツキシマブと化学療法の併用、放射免疫療法(RIT)に難治性でCD22陽性の再発性低悪性度B-NHLの患者を対象に、Inotuzumab Ozogamicinの安全性と有効性を評価した。

 対象は、2回以上の全身療法を施行後に進行を認め、最後に行ったリツキシマブを含む治療の終了から6カ月以内、または抗CD20抗体によるRITの終了から12カ月以内に寛解がみられない、または進行を認めた患者とした。

 Inotuzumab Ozogamicinは1.8mg/m2を点滴静注で28日ごとに投与し、4サイクル行うこととした。用量や頻度は毒性に基づいて調整した。完全寛解(CR)を得た後は2サイクルまで追加投与を認め、投与は最長で8サイクルまでとした。初回投与から最長2年まで追跡した。

 81人が登録され、内訳は、濾胞性リンパ腫(FL)72人(年齢中央値62.0歳、男性51%)、辺縁層リンパ腫4人(同70.5歳、50%)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)5人(67.0歳、100%)だった。前治療のうち、最後の治療がリツキシマブだったのは、FL群71%、辺縁層リンパ腫群50%、SLL群80%だった。FL群では7%が幹細胞移植を受けていた。

 FL群で試験治療を完了したのは15%、早期の治療中止は67%で、40%は有害事象によるものだった。対象全体では、投与の中央値は3回(範囲:1~8)だった。

 患者の20%以上で報告された治療関連有害事象(TEAE)では、血小板減少と好中球減少が多く、グレード3以上はそれぞれ57%と26%だった。グレード3以上の非血液毒性は、嘔気が5%、AST上昇が4%、食欲不振や疲労感などが各3%に発現した。18人の患者について、46件の重篤な有害事象が報告されたが、このうちInotuzumab Ozogamicinに関連する事象は43%だった。

 グレード3以上の血小板減少が発現した37人では、グレード1以上に改善するのに要した平均期間は32日間だった。

 評価が可能だった74人中、全寛解率(ORR)は58%、CRは28%だった。FLの65人では、ORRは63%、CRは33%だった。寛解が得られたFLの41人中、再発または進行を認めたのは9人のみだった。FLの患者では、前治療のリツキシマブに抵抗性だった場合も49%で寛解が得られた。

 無増悪生存期間(PFS)の中央値は15.5カ月だった。FLの患者では、12カ月時のPFS率は57%、全生存率(OS)は81%だった。

 小椋氏は、「今回得られた結果は、こうした対象集団に対するInotuzumab ozogamicinの臨床開発の継続を支持するもの」と話した。

 Inotuzumab ozogamicinについては世界で4件の臨床試験が進行中で、このうち2件には日本も参加している。

以上