2009年、あけましておめでとう!

2009年、あけましておめでとう!

12月は再燃発覚から治療はしなかったので、抗癌剤も抜け、普通に年末年始を過ごせた。 年末には1泊で小旅行、快晴に恵まれ、景色がきれいだった。
初詣はクルマで奈良方面へでかけて、ちょっとした気晴らしになった。

昨日は現実に戻り、リツキサン点滴をしに病院へ行ってきた。 週1回、4回続けて点滴をして、血中のリツキサン濃度を高めるのだそうだ。

腫瘍をたたくというところまでいかなくても、進行を止めることは可能とのこと。
1月中はこれをして、結果をみてから、次の段階へという段取りになる。 その前にセカンドオピニオンを大阪市立大付属病院へ聞きに行くつもり。 Dr.は聞きに行ってくださいとあっさりしたもの。

昨日の血液検査でもLDは215と高くなかった。白血球は3310/ulと微増。 でも背筋のあたりがなにやら痛いのは、やはりリンパ腫のせいだと思う。

フルダラを点滴でするとなると5日間するのだそうだ。 それじゃあ1日で終わるCHOPよりきつくて大変じゃないでしょうかと聞くと、骨髄抑制はCHOPよりきついが、負担はそんなに変わらないから大丈夫だと言われる。

でもやっぱり5日間も続けるとたまっていってしんどそうに思う。
もしフルダラが効かなかったらどうするのですかというと、もっと強い抗癌剤になるという。(薬品名まで言ってくれなかった)うーん、先を心配したらきりがないけれど、どうなるやら。。。

アントラサイクリン系抗がん剤

アントラサイクリン系とアルキル化剤は、共に2次発ガンの可能性が報告されています。 初発で2.5%、再発で9.3%と低くない割合です。 FND、R-FNDで使われていて、この治療後、4%の発症率が報告されています。 R:リツキサン F:フルダラビン N:ノバントロン(ミトキサントロン) 従って別名 D抜きで FMとも言う。 D:デキサメタゾン(ステロイド剤)。

アントラサイクリン系
作用 トポイソメラーゼⅡ活性阻害
副作用 骨髄抑制
消化器毒性 脱毛(それほどひどくない様子です)

ドキソルビシン
副作用: 心毒性急性

ダウノルビシン

デキサメタゾン(ステロイド剤)

デキサメタゾン(ステロイド剤)

デキサメタゾンでおこり得る副作用とは?
他の投与薬と同様に、デキサメタゾン投与によって副作用が引き起こされる可能性があります。これらの副作用のすべてを経験する患者さんはごくわずかです。実際には、デキサメタゾン摂取中に副作用をまったく経験しない患者さんもいます。副作用を減少させる、あるいは避けるために、患者さんおよび担当医師等がとるべき確実な予防措置があります。 ここでは、最も重要な副作用および予防措置を述べます。ここで述べる副作用および他の副作用についての詳細な情報は担当医師等にお尋ねください。また、これらの副作用が起きた場合には、副作用の治療についてのアドバイスを得ることもできます。デキサメタゾンなどのステロイド剤による副作用の可能性は、治療期間および投与量とともに高まります。つまり、服用期間が長いほど、さらに服用量が多いほど、副作用が起きる可能性が高まります。副作用の多くは回復可能で、治療が終わると治ります。しかし、自己判断による摂取中止や摂取量の減量はやめましょう。副作用発現時や質問のある場合は担当医師等に知らせましょう。

以下は、発生頻度の高い副作用および/または重篤な副作用(影響のでる器官別に列挙してあります)、留意すべき予防措置、有害事象の予防措置や治療法に関する助言です。

感染症
ステロイド剤によって白血球の感染部位への到達が阻害されるため、既存感染症が増悪するか、あるいは新規感染症が発症する場合があります。一方で、血中の白血球数は上昇します。白血球が血中から感染した組織内へ移動しないからです。正常な免疫反応を抑制する薬剤はいずれも、人を感染症にかかりやすくする可能性があります。ステロイド剤は、実際に感染症の徴候を覆い隠す場合があります。また、新規の感染を阻止する能力を低下させる場合もあります。したがって、デキサメタゾンなどのステロイド剤を摂取している患者さんは、あらゆる感染症(細菌性感染症、ウィルス性感染症、あるいは真菌性感染症)を発症する危険性が高まります。

感染症の予防と治療
デキサメタゾンなどのステロイド剤は既知の感染症に罹患している患者さんに投与すべきではありません。しかし、活動性感染症が適切な抗生物質で治療されているときは、ステロイド剤が重要あるいは必要となる場合があります。

いかなる感染症徴候も、その発現直後から担当医師等に報告すべきです。 頻回の手洗いを励行しましょう。特に公共の場から戻ったときは手洗いをしましょう。

水痘および麻疹に1度も罹患したことのない患者さんは特に注意して曝露(感染者への接近あるいは感染者との接触など)を避けるべきです。 両疾患に曝露された場合は、気づき次第、担当医師等に知らせるべきです。また、デキサメタゾンあるいはステロイド剤を摂取している患者さんは、ワクチン接種も避けるべきです。本当に必要とされる場合には、一部のワクチンは接種することができます。しかし、いかなる理由があっても接種前に担当医師等と相談しましょう。担当医師等は当該ワクチンの接種が安全であるかどうか判断することができます。

心疾患および体液貯留
デキサメタゾンおよび他のステロイド剤の投与により、血圧上昇、塩類および水分の貯留量の増加、カリウムとカルシウムの排泄量の増加が引き起こされる場合があります。これらの変化は、薬剤の大量摂取時に生じる可能性が高くなります。塩類貯留によって浮腫や腫脹を生ずる場合があります。足首および足の腫れに気づくかもしれません。体液貯留とカリウム減少は、心疾患、特にうっ血性心不全と高血圧の患者さんにとっては問題となる可能性があります。

心疾患および体液貯留の予防と治療
食事の変化が必要とされる場合があります。塩分摂取制限および失われたカリウムとカルシウムを補うサプリメントの摂取を行なわなければなりません。担当医師等と相談し、協力しながら適切な食物およびサプリメントを摂取するようにしましょう。

皮膚への副作用
デキサメタゾンや他のステロイド剤を摂取している患者さんは、創傷治癒に通常よりも時間がかかると感じることがあります。また、デキサメタゾン摂取中に?瘡(にきび)および発疹が発現することもあります。発汗亢進もステロイド療法中の一部の患者さんに認めらます。

皮膚疾患の予防と治療
切り傷やひっかき傷を負った場合は注意が必要です。適切な衛生処置が重要です。傷を洗い、患部を清潔に保ちましょう。 切り傷やひっかき傷が、速やかに、あるいは適切に治らないと感じた場合は、担当医師等に連絡するべきです。担当医師等に相談する前には、創傷治療に店頭販売の薬剤を用いないようにしましょう。

内分泌への副作用
デキサメタゾンなどのステロイド剤は炭水化物の代謝経路を阻害し、血糖値を上昇させることがあります。これは、糖尿病の患者さんでは特に重要となります。既知の糖尿病の患者さんでも、ステロイド剤の摂取は可能です。しかし、血糖値のコントロールのためにインスリン療法などの追加が必要となる場合があります。

また、ステロイド剤は月経不順を引き起こすこともあります。

内分泌への副作用に対する予防および治療
糖尿病の患者さんは、血糖値を頻回に測定する必要と、さらに インスリンや糖尿病治療薬の用量を調節する必要があります。しかし、この判断は、患者さん自身ではなく医師が行なう必要があります。糖尿病である場合は、糖尿病治療の担当医師にデキサメタゾン治療中であることを知らせてください。

妊娠可能年齢の患者さんには、ステロイド剤が胎児に及ぼす作用は未知であることを知らせるべきです。したがって、女性、特に月経不順を経験している女性は、デキサメタゾン治療中は追加の予防措置を取り、妊娠しないようにするべきです。

胃腸への副作用
ステロイド剤は胃腸管にさまざまな作用をおこします。胃腸穿孔の危険性が高まります。したがって、消化性潰瘍、憩室炎、潰瘍性大腸炎の患者さんは、副腎皮質ステロイド剤を慎重に使用し、穿孔の危険性を最小限にするべきです。 これらの理由から、ステロイド剤を服用している患者さんに対し、医師の多くは自動的に何らかの制酸剤治療{例えば、PepsidR(訳注 ガスター)}を勧めています。

デキサメタゾン治療で生じ得る胃腸副作用には、他に食欲亢進、食欲不振、腹部膨満感、悪心、嘔吐、しゃっくり、胸やけがあります。

胃腸への副作用の予防および治療
胃腸への刺激作用を防ぐ、あるいは最少化するために、デキサメタゾンは食事中か食後に服用すべきです。アルコール性飲料も胃を刺激するので、デキサメタゾン服用中は避けるべきです。カフェイン含有の食物と飲料(例えば、コーラ、コーヒー、茶、チョコレート)の摂取制限も役に立ちます。少量の食事を頻回にとることで、悪心が緩和されることがあります。食間の制酸剤の服用も役立つことがありますが、担当医師等の許可がない場合は服用すべきではありません。持続性のしゃっくりに対する治療には、Thorazine? あるいは Phenergan? のような処方せん医薬品が必要となる場合があります。デキサメタゾン服用中に胃腸への副作用を経験した場合は、担当医師等に知らせるべきです。胃腸への副作用の予防や治療に関して助言を得ることができます。

一般的な副作用
デキサメタゾンなどのステロイド剤の使用で、体重増加が生じることがあります。数日間、嗄声(声がかれること)となることがあります。通常、この副作用は徐々に治まりますが、デキサメタゾンの4日間のパルス療法を頻回行っている患者さんでは長引くことあります。 声を出さないことは症状回復に役立ちます。

体重増加の予防および治療
ステロイド療法中は体重増加が予想されます。デキサメタゾンには食欲亢進傾向があります。患者さんによる食事摂取量のコントロールが必要です。ステロイド療法中は炭水化物摂取量を減らすことが特に役立ちます。しかし、突然の大幅な体重増加{1、2日間で5ポンド(約2.27キログラム)以上}がみられた場合は、速やかに担当医師等に知らせるべきです。

筋骨格への副作用
ステロイド剤によって、カルシウムの吸収量は減少、排泄量は増加するため、骨に影響が及びます。これらの作用によって成人では疼痛および骨粗鬆症を生ずる可能性があります。 したがって、骨粗鬆症発症の可能性が最も高い患者さん、特に閉経後の女性患者さんは、大量のステロイド剤の長期使用時には注意が必要です。また、カリウムが失われているために、筋肉痛を生じることがあります。

筋骨格への副作用に対する予防および治療
何らかのサプリメントを摂取して、失っているカルシウムとカリウムを補わなければならないことがあります。しかし、自己判断でサプリメントを摂取してはいけません。カルシウム含有量の多い食物をとることで、カルシウム摂取量を増やすことができます。牛乳、チーズ、ヨーグルト、他の乳製品、および一部の野菜は富カルシウム食物です。バナナ、他の一部の果物および野菜は良いカリウム源です。しかし、まず担当医師等に相談してからサプリメントの摂取や食事の変更を開始しましょう。

骨髄腫の患者さんの多くが骨髄腫関連の骨疾患に対する治療としてビスホスホネート療法を行っています。このビスホスホネート療法は骨の強度および密度に及ぼすステロイドの有害な作用を阻害します。

眼への副作用
長期のステロイド治療により白内障、緑内障の原因となり得る眼圧上昇、視神経損傷、および眼感染症が引き起こされる場合があります。

眼への副作用に対する予防および治療

定期的に眼を検査するようにしましょう。視覚の変化は直ちに担当医師等に報告するべきです。

精神および神経への副作用
ステロイド剤によって、短気、気分変動、人格変化、および重度うつ病が引き起こされることがあります。また、不眠症となることもあります。情緒不安定あるいは精神病傾向の程度が増します。ステロイド療法中はさらに悪化することがあります。

また、頭痛およびめまいの経験も報告されています。

精神および神経への副作用に対する予防および治療

上段に列挙した、気分や人格への副作用を認めた場合は、担当医師等に連絡してください。 家族に対しては、短気になり、ともに暮らすことが困難となる場合があることを伝えるべきです。睡眠に問題を生じた場合は、夜間の睡眠を妨げないように、デキサメタゾンの服用時刻を調整することができるかどうかを、担当医師等にお尋ねください。通常の睡眠薬が役に立つ、あるいは必要となる患者さんもいます。

アレルギー反応
ステロイド剤に対するアレルギー反応および過敏反応は、他剤に過敏であるか、アレルギー反応を起こしたことがある患者さんで生じる可能性があります。アレルギー反応には困難呼吸、咽喉閉塞、唇と舌の腫脹、じんま疹などがあります。このようなステロイド剤に対するアレルギー反応はきわめて稀です。

アレルギー反応の予防および治療
薬剤アレルギー反応の既往がある患者さんにデキサメタゾンや他の副腎皮質ステロイド剤を投与する前には、特別な予防措置を用いるべきです。薬剤アレルギー反応の既往がある場合は、薬剤投与に際して担当医師等にその旨を確実に伝えましょう。

留意:健康状態に変化を認めた場合は、担当医師等に伝えましょう。

デキサメタゾンと他剤との相互作用

デキサメタゾンに関しては、他の投与薬との相互作用の可能性は確かに認められています。 多発性骨髄腫の患者さんは、一般に複数の薬剤を摂取して、多発性骨髄腫ならびに他の存在し得る疾患を治療する必要があります。投与薬の数が増えるとともに薬物相互作用の可能性は高まります。デキサメタゾンと相互作用する可能性のある、いくつか(全てではありません)の、あるいは数種の投与薬を下段に列挙します。これらの相互作用によって薬剤作用が増減することがあります。 摂取している処方せん薬、店頭販売薬、薬草の調整剤、ビタミン剤のすべてを担当医師等の全員に伝えることが重要であるのはこのためです。

デキサメタゾンおよび他の副腎皮質ステロイド剤と相互作用し得る薬剤

* アムホテリシンB。カリウム濃度に影響を及ぼす利尿剤、例えばアミロライド、スピロノラクトン、トリアムテレン。

* 抗生物質、例えば エリスロマイシン、クラリスロマイシン、リファンピシン、アジスロマイシン。

* 抗凝固剤、例えばワーファリン、アスピリン。

* バルビツール剤、例えばアモバルビタール、ブタルビタール、ペントバルビタール、セコバルビタール。

* 糖尿病治療剤、例えばインスリン、グリベンクラミド、メトホルミン。

* シクロスポリン

* ジギタリス製剤

* エフェドリン。減量用製品中に高頻度に認められます。

* エストロゲン含有薬剤。例えば経口避妊薬およびホルモン補充療法製品などがあります。

* 非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)。アスピリン、イブプロフェンを含めて、インドメタシン、ナプロキセンなどがあります。

* フェニトイン

デキサメタゾン投与法およびデキサメタゾン投与時の留意事項
多発性骨髄腫治療では、デキサメタゾンは輸液剤や経口剤によって、他の抗癌剤との併用あるいは単剤で投与されます。デキサメタゾンの投与量は患者さんの様々な要因によって異なります。しかし、副作用発現の可能性を低下させるために、望まれる反応を引き起こし得る必要最少量のデキサメタゾンを用いるべきです。デキサメタゾンの用量は患者さんそれぞれの病歴および症例を良く知っている担当医師等によって決められます。

デキサメタゾンは胃を刺激することがありますが、食物とともにとることでその可能性を低下させることができます。アルコールとデキサメタゾンは、ともに胃の内壁を損傷し得るため、デキサメタゾン投与中のアルコール摂取は、慎重を期すか、あるいは完全に避けるべきです。

他の副腎皮質ステロイド剤と同様に、デキサメタゾン療法は突然中止することができません。この種の薬剤は、徐々に投与を中止する必要があります。突然の投与中止によって禁断症状が出ることがあります。

担当医師等は、副作用を避け、あるいは可能な限り小さくするようにデキサメタゾン投与法をコントロールするでしょう。

多発性骨髄腫治療で用いる他の副腎皮質ステロイド剤とは?

デキサメタゾンに加えて、他の副腎皮質ステロイド剤が多発性骨髄腫の患者さんの治療に頻用されています。これらの薬剤を以下に列挙します。

副腎皮質ステロイド剤の名称 商品名
プレドニゾン DeltasoneR, Liquid PredR, MeticortenR,
OrasoneR, Prednicen-MR, SterapredR,
Sterapred DSR
プレドニゾロン OrapredR, PediapredR, PreloneR
メチルプレドニゾロン DuraloneR, MediapredR, MedraloneR,
MedrolR, PredacortenR, Solu-MedrolR

これらの薬剤はすべて同種、すなわち副腎皮質ステロイド剤に属するため、きわめて似た作用をし、多くの同じ病状を治療するために用いることができます。疾患治療に対する、これらの薬剤の体内での作用機序は同じです。また、作用機序がきわめて似ているため、副作用およびその予防措置の多くが同じです。臨床試験を行ったところ、これらの薬剤は多発性骨髄腫治療で同等の効果を示すことが明らかになりました。

前述した、デキサメタゾンの効果、副作用、予防措置、留意事項は全種の副腎皮質ステロイド剤に関連しているので、プレドニゾン、プレドニゾロンおよびメチルプレドニゾロンにも当てはまります。プレドニゾロンは実際には、プレドニゾンの代謝物です。メチルプレドニゾロンは、構造上は類似しているものの、プレドニゾロンよりも毒性が低く、ナトリウムおよび体液貯留も少ないと思われます。したがって、どの種類のステロイド剤(例えば、メチルプレドニゾロン対デキサメタゾン)が、ご自分のケアに有用、あるいは適切であるかを担当医師等と話し合うことは大切です。

デキサメタゾンと同様に、副作用を避ける、あるいは最小化するために、望まれる反応を引き起こし得る必要最少量の副腎皮質ステロイド剤を用いるべきです

ノバントロン(ミトキサントロン)

ノバントロン(ミトキサントロン)

ノバントロンは抗癌剤の一つで、欧米では多発性硬化症(MS)の基本的な治療薬として広く使用されています。日本では急性白血病や悪性リンパ腫などに認可されていて市販されていますが、MSには認可されてはいません。当院では、すでに30例以上の患者様に投与しており、再発を抑制するなど良好な効果を挙げています。

期待しうる効果
免疫に関係する、リンパ球やマクロファージの機能を抑制することで、MSの再発頻度を抑制したり、神経障害の進行を抑制します。効果の発現までに6ヶ月以上かかります。病気の初期で、障害の程度の軽い患者で、より効果的であると言われています。

方法
初回は、体表面積あたり12mgのノバントロンを点滴します。この薬剤が血管外の漏れますと組織障害を起こしますので、血管がよほど太くない限り留置針を入れます。また、あらかじめ吐き気止めの注射を点滴のラインから静注します(針を刺すのは1回だけです)。以降、1ヶ月に1回ずつ合計3回点滴し、その後は3ヶ月ごとに(回数を追うごとに投与間隔が長くなる場合もあります)次第に薬剤の量を減らしながら点滴します。どのくらいの量をどの程度の間隔でどの程度の期間、点滴するかは一定ではありません。また、一生涯で投与できる最大量は体表面積あたり決まっています(欧米の体の大きな人で140mgと言われていますが、白血球の低下する程度も考慮して、体表面積あたりの量で投与しているものの、日本人では少なめがよいように思われますので、100mgを一応のめどにしています)。

副作用
自覚症状として最も多いのは、食欲低下や吐き気です。稀に、食欲低下が強い場合、投与間隔を空ける場合があります。血球減少、特に7から10日後頃に出現する白血球減少の頻度は高く、点滴後は週に2回採血をして変化を見ます。白血球が減少した場合、必要に応じてG-CSFという骨髄での白血球の産生を促す薬剤を投与します。ヨーロッパでの治療の初期から、心機能が低下することが問題とされてきました。このこともあって、総投与量が決められていますし、心機能のチェックが必要です。他の抗癌剤に比し軽度と言われますが、脱毛が目立つこともあります。その他、月経異常、免疫異常による肺炎(間質性肺炎)の報告もあります。

副作用の頻度
海外の報告では、ノバントロンを投与された多発性硬化症患者さんのうち、1378名中2名でうっ血性心不全に、779名中17名に症状までは現さない心機能低下が認められています。これらは主に投与された薬剤量によると言われており、生涯の総投与量を制限しています。

35歳以上の女性の14%が治療終了後も改善しない無月経となり、10%では薬剤中止後に回復する一過性の無月経をきたしたと報告されています。

生命にも関わる重要な副作用として、1378名中1名で急性白血病が認められています。これはノバントロンだけでなく、白血球が低下した際に使用する薬剤、G-CSFの副作用とも言われています。

副作用の対策
投与前に、心電図や心エコー、血球数や肝機能検査などの血液検査を行います。はじめから心臓の機能に異常があると治療を開始できません。治療直後は白血球が減少しますので、週に2回血液検査を行います。白血球数の低下により、次回の投与量を減量し、白血球の回復が悪い場合は投与間隔を延ばすこともあります。心機能が低下した場合、治療を直ちに中止します。

問題点
日本では、本剤は多発性硬化症への適応がないため、本剤の副作用に関連した後遺症が生じても公的な保証を得られません。本剤により多くの患者様で治療効果が認められていますが、全員に満足できる結果が得られているわけではなく、治療の効果を必ずしも保証もできません。それゆえ、治療内容と危険性を良く理解された上で、この治療法を選択するかどうかを判断していただきたいと思います。

プリンアナログ

プリンアナログ

単剤では、2次発ガンとの関連は少ないと見られている。

チオグアニン、リン酸フルダラビン(F-Ara-A、フルダラ)、クラドリビン(2-CdA、ロイスタチン)が含まれる。

リン酸フルダラビンはCLLやFLに効果があるとされている。しかし日本においてはFLに対して適応がなくクラドリビンが用いられる。

アルキル化剤の一覧

アルキル化剤の一覧

アルキル化剤はマスタードガスの研究から開発された、細胞障害性抗がん剤の代表的な薬です。 現在2次発ガンの可能性が議論されています。 治療方法が発展して、治療後の寿命が延びたので、問題になってきているようです。

治療関連性のAMLと骨髄異形成症候群 (AML and myelodysplastic syndromes, therapy-related) は、アルキル化薬によるもので、投与後5~6年で骨髄異形成症候群をへて急性骨髄性白血病へと移行する、と言われている。

アルキル化剤はアルキル基と呼ばれる原子のかたまりをがん細胞のDNAに付着させ、らせん状にねじれた二本のDNAを異常な形で結合させて、DNAのコピーができないようにします。

アルキル化基が結合した状態でがん細胞が分裂・増殖しようを続けようとすると、DNAがちぎれてしまうため、がん細胞は死滅してしまいます。

アルキル化剤は体内で一定の濃度に達すると作用し、白血病や悪性リンパ腫などに特に効果が認められていますが、骨髄抑制などの副作用が強いことも知られています。

イホスファミド(イホマイド)
シクロホスファミドと似た構造を持つアルキル化剤です。シクロホスファミドが効かなくなった人にも効果が認められますが、効力が弱いため、4倍の投与量が必要とされています。

シクロホスファミド(エンドキサン)
シクロホスファミドは世界中で最もよく用いられている抗がん剤の一つです。小細胞肺がんに対するCAV療法や悪性リンパ腫に対するCHOP療法などの中心薬剤として使われるほか、単独で用いられることもあります。

ダカルバジン(ダカルバジン)
がん細胞の遺伝子DNAの複製を阻害するアルキル化剤で、細胞の分裂周期には無関係に作用します。メラノーマ(悪性黒色腫)に最も有効であり、ほかにはホジキン病、軟部肉腫などにも効果があるとされています。

テモゾロミド(テモダール)
脳血液関門を通過できる新しい経口タイプのアルキル化剤です。現在世界70カ国以上で承認されており、日本でも2006年9月に保険診療で使えるようになりました。

ニムスチン(ニドラン)
脳腫瘍に有効なニトロソウレア系の抗がん剤です。この系統の薬は分子量が小さいため、脳血管の特殊構造(血液脳関門)を通過して脳に入ることができます。

ブスルファン(ブスルフェクス、マブリン)
内服剤は、慢性骨髄性白血病に用いられますが、完治に至るのは困難です。2006年10月に認可された注射剤(ブスルフェクス)は、造血幹細胞移植の前処置として、大量投与されます

プロカルバジン(塩酸プロカルバジン)
がん細胞がDNAやRNA、たんぱく質を合成するのを阻害することで、抗腫瘍効果を発揮します。

メルファラン(アルケラン)
多発性骨髄腫では、プレドニゾロンを併用するMP療法が行われています。また白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、小児固形がんの造血幹細胞移植の前処置にも投与されます。

ラニムスチン(サイメリン)
ニトロソウレア系のアルキル化剤。多発性骨髄腫や慢性骨髄性白血病、悪性リンパ腫などの多剤併用療法に用いられるほか、血液脳関門を通過しやすいため、脳腫瘍の治療にも用いられます。

■PETの壺 SUV値と悪性度の関連

■PETの壺 SUV値と悪性度の関連

埼玉医科大学 国際医療センター 核医学科
久慈 一英 先生

 従来のCT、MRI、USなど形態画像診断では、原発性縦隔腫瘍の位置、大きさ、形態、周辺臓器への浸潤の有無、転移の有無、造影様態といった観点で腫瘍の種類や悪性度を判断していた。しかし、最も多い胸腺腫では、浸潤が進行しない限り、浸潤性と非浸潤性の画像診断は困難である。

 縦隔腫瘍に限ると、FDG集積度と悪性度はかなり相関が高い。このため、集積度によって、縦隔腫瘍の悪性度に迫れる。さらに、形態情報と合わせて考えると、診断が深まる。私の鑑別法のポイントを、以下に紹介する。

1.手術しない病変
 胸腺嚢胞や気管支嚢胞など嚢胞性腫瘤、成熟奇形腫などがあげられる。造影CTやMRIで十分診断できる。FDGは、通常ほとんど集積がない。FDG集積がほとんどない病変に関しては、良性の可能性が高いので、半年か1年後のCTやMRIの経過観察で十分と思われる。

2.待機手術
 比較的小さな非浸潤性胸腺腫があげられる。FDG-PETでは、集積の弱いもの、つまりSUVmaxが3前後の腫瘍である(図1)。SUVmaxが3以下ではほとんどが非浸潤性の胸腺腫、つまりWHO病理分類でA、ABに相当する予後の良いグループである。

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図1.非浸潤性胸腺腫(WHO病理分類AB)。腫瘍は比較的大きいが、FDG集積は乏しい(矢印)。SUVmaxは3.0

3.急いで治療
 有症状の場合や腫瘍の大きいもの、浸潤の明らかな腫瘍は悪性度の高い可能性がある。転移があれば、悪性である。形態上の悪性所見に乏しくても、SUVmax値で4を越えるものは要注意である。5を越えたら、臨床的に悪性を念頭に治療すべきである。実際に、SUVmaxが高くなるにつれて、WHO分類でB1、B2、B3と非浸潤性の胸腺腫(図2)となり、さらに胸腺癌(図3)や悪性リンパ腫(図4)、胚細胞性腫瘍、神経原性悪性腫瘍などが含まれる。重症筋無力症を起こす胸腺腫は、WHO分類で、浸潤傾向の高い胸腺腫や胸腺癌が多いとされる。

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図2. 浸潤性胸腺腫(WHO病理分類B3)。FDG集積は不均一に強い部分がある(矢印)。SUVmaxは8.7。

図3.胸腺癌(扁平上皮癌)。原発腫瘍は大きくないが、FDG集積は強い(矢印)。SUVmaxは、7.1。胸膜播種と胸椎転移があった。

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図4.非ホジキン悪性リンパ腫(DLBCL)。非常に強いFDG集積がある(矢印)。SUVmaxは、13.6。

 胸腺腫以外の悪性腫瘍を疑う場合は、SUVmax値が非常に高い場合である。7を越えると胸腺癌の確率が高くなる。さらに、10を越えると悪性リンパ腫の確率が高い。15を越すと、悪性胚細胞性腫瘍など未分化癌の可能性が高まる。胸腺原発の悪性リンパ腫は、DLBCL(びまん性大細胞性B細胞リンパ腫)かホジキンリンパ腫が多いので、通常FDG集積は非常に高い。悪性リンパ腫や悪性胚細胞性腫瘍では、腫瘍マーカーが役立つ。胸腺癌では、胸膜播種など転移がFDG-PETで明らかになる場合もしばしばある。比較的若年の患者で集積の強い縦隔腫瘍を見たときは、胸腺癌や悪性リンパ腫、胚細胞性腫瘍の可能性が高い。

ピットホール
 集積が高い腫瘍は悪性と短絡してはいけない場合がある。縦隔褐色細胞腫(神経節細胞腫)では、良性でもFDG集積が非常に高い場合があり、必ずしも悪性とは限らない。リンパ節転移病変の場合は、原発腫瘍の性質により、集積程度に幅があると思われる。

http://medical.nikkeibp.co.jp/mem/pub/special/PET/TU/TU13.html

【日経メディカル】より

再発後の診断

12月22日にPETの結果を踏まえての診断があった。 特に新しい情報があるわけでもないので、こっちからあらかじめ質問状をファックスしておいたので、それに従ったQ&Aとなった。 結果的には、こちらの聞きたい事に対してあまり答えてもらえず、不安だけが残った。 しょうがないので、来年からの治療は行うとして、その間にセカンドオピニオンの準備をすることにした。

以下の質問状に対しては、

(1) トランスフォームしている可能性はあるが、生検も出来ない。 腹腔鏡を使えば何とかなるかも。 22日のLDHは240と逆に低下。

(2) 放射線治療は可能。 放射線科の先生の意見に寄る。

(3) F-Rプラスノバントロンが当院の再発に対する治療。 他は良く分からない。 深い寛解が欲しければ、この治療となる。 (片方で、化学治療は生命予後、要するに寿命延長には貢献しないと言って置きながら)

(4) ゼバリンは、当院ではやっていないし、やる予定も無い。 やるなら他院でやるしかない。

(5) セカンドオピニオンの資料の準備には1週間程度かかる。 オピニオン先は自分で探して来てください。

(6) この次に再発した場合の治療については、無言。

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以下は、質問状。 当日の話で一部改変。

質問事項 2008・12・22

Q1 LDHの値は11月17日 204、11月27日 401、12月1日 438、 12月8日にPET撮影となりました。 もしLDHの数値と病状が比例しているとしたら、進行が物凄く速いと言う事になり、トランスフォームした事も考えられます。 この場合に備えた治療方針についてお聞かせください。

Q2 腫瘍の大きさが小さく1箇所程度なら、放射線治療が可能と思いますが、今回の治療に放射線治療が可能かどうか、もし出来るのならそのメリットとデメリットを教えてください。 腫瘍の場所に寄ると思いますが如何でしょうか。

Q3 1月からのリツキシマブ 1回/週 x4回 治療は、大きな効果が見込めませんが妥当だと思います。 この治療を選択された背景についてもう少しご教授ください。

Q4 R-FND治療との事ですが、特にノバントロンの副作用について教えてください。 F-Rとの比較上のメリットデメリットについてお考えをお聞かせください。

Q5 ノバントロン(ミトキサントロン)はトポイソメラーゼⅡ型阻害薬で2次発ガン(特にいわゆる白血病)の可能性もあるので、出来るだけ使いたくないと思います。 点滴治療の場合、長期入院の可能性についても教えてください。

Q6 フルダラビンには経口剤も開発されています。 これを使った F-R治療について、考えをお聞かせください。

Q7 フルダラビンには強力な免疫抑制効果があると思いますが、治療に耐えることが出来るでしょうか? もし想定以上の副作用があった場合の対応策について教えてください。R-CHOPも結果的には70%の容量でしか治療できませんでした。

Q8 R-FNDもしくはF-R治療の場合のコース数およびスケジュールについて、教えてください。

Q9 イブリツモバブ(ゼヴァリン)が保険適用になりました。 またこの薬剤の有用性が多くの資料に出ていますが、このイブリツモバブの本病院での治療は可能でしょうか?

Q10 骨髄機能が大分弱まってきていると思います。 これの回復の可能性や時期、R-FNDもしくはF-R治療以降もしくはその前でのゼヴァリン適応について考えをお聞かせください。

Q11 想定以上に早く再発・再燃しました。 あまり考えていなかったので、セカンドオピニオンをお願いしようと思いますが、如何お考えでしょうか。
名古屋第二赤十字病院 血液・腫瘍内科部長 小椋美知則先生
癌研有明病院 のどなたか
大阪大学か大阪市立大学のどなたか

以上

大阪市立大学医学部附属病院血液内科

大阪市立大学医学部附属病院血液内科は造血器悪性腫瘍に関する診断・治療を主体
に行っております。特に同種造血幹細胞移植は大阪おける中心的な役割を果たす病院の一つとなっております。2006年度の診療実績は外来延べ人数10768名、初診829名入院281名でした。同種移植実績は26症例であり、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植、すべての幹細胞源を用いた移植、また骨髄破壊的移植のみならず、ミニ移植と呼ばれる骨髄非破壊的移植も高齢者、臓器障害を有する症例に対して積極的に行っております。

Second Opinion外来を開設しております。診察日は月曜日ならびに第1・3・4・5週の水曜日となります。Second Opinion外来受診希望の患者様あるいは医療関係者の方は当院地域医療連絡室(TEL 06-6645-2877)に連絡していただき当外来の予約を取って下さい。セカンドオピニオン外来では、できるだけ根拠に基づいた客観的なお話をさせて頂きますので、必ずしも良い話とは限りません。病気によっては現時点では治療法がない場合や限られた命である場合もあります。

読売新聞記事「悪性リンパ腫の新薬」

悪性リンパ腫の新薬 再発治療 選択肢広がる

 年間9000人以上の命を奪う血液がんの一種、悪性リンパ腫は、比較的治りやすいものから治療が難しいものまで、20以上もの種類があるのが特徴だ。治療法もそれぞれ異なる。なかでも最も治りにくいとされる種類に対する新薬が、相次いで登場。効果に期待が集まっている。(坂上博)

 悪性リンパ腫は、白血球の中のリンパ球の一部ががん化する病気だ。首やわきの下、足の付け根などのリンパ節にしこりができることが多い。胃や肺などにできることもある。高齢化とともに患者は増えている。

 悪性リンパ腫は、ホジキンリンパ腫(患者の約5%)と、非ホジキンリンパ腫(同約95%)の二つに大きく分かれる。このうちホジキンリンパ腫は、比較的抗がん剤が効きやすい。

 一方、非ホジキンリンパ腫は、進行のゆっくりした「低悪性度」から、月単位で進む「中悪性度」、週単位で急速に悪化する「高悪性度」と、病気の進み具合は様々だ。

 ただし、「高悪性度」の悪性リンパ腫は、進行も速いが薬もよく効き、治りやすい。

 実は、やっかいなのは「低悪性度」の悪性リンパ腫だ。進行は遅いのだが、薬があまり効かない。名古屋市の名古屋第二赤十字病院血液・腫瘍(しゅよう)内科部長の小椋美知則(みちのり)さんは「再発を繰り返し、治療が手詰まりとなることも多い」と話す。

 新薬の対象となるのは、「低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫」と、「マントル細胞リンパ腫」(低悪性度と中悪性度の中間)。両者で非ホジキンリンパ腫の約4割を占める、治りにくい悪性リンパ腫の代表だ。

 新薬の一つは、昨年承認された飲み薬、フルダラ錠(一般名リン酸フルダラビン)。従来の抗がん剤のような、脱毛やしびれの副作用はないが、白血球減少などには気をつける必要がある。

 もう一つは、今年に承認された注射薬のゼヴァリン(一般名イブリツモマブチウキセタン)。薬にイットリウム90という放射性物質を結合させ、放射線を発し、がん細胞を殺す。

 80歳代のA子さんは6年前、低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫と診断され、抗がん剤治療を受けてきたが、今年3度目の再発を起こした。同病院で、ゼヴァリンの注射を受けたところ、1か月後には、検査でもがんが見つからなくなった。

 ゼヴァリンの治療ができるのは、放射線の管理ができる約60施設に限られる。体内の放射線はすぐに外出しても問題ないレベルに下がる。

 いずれも、従来の抗がん剤が効かなくなったり再発したりした患者が対象だ。

 小椋さんは「これらの悪性リンパ腫は、新薬でも完全に治すことは困難だが、再発までの期間を延ばすことが期待でき、従来の薬が効かなくなった患者にとって新たな選択肢が増えた意義は大きい。副作用が比較的少ないため、高齢患者に使いやすいのも利点だ」と話している。

(2008年12月26日 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/saisin/20081226-OYT8T00443.htm